一時期「ハンサムウーマン」、「男前な女性」といった形容が雑誌やテレビをにぎわせていたことを覚えていますか。 今回ご紹介する木内女性クリニックの木内院長は、その名称がぴったりの、まさに”おっとこまえ”な女性。その人柄に魅せられたのでしょう。院長の診察日には、数時間待ちでも診察を希望する患者が詰め掛けるそうです。 さてはて、その魅力はどこに。クリニックは兵庫県西宮市、阪急西宮北口駅の南側正面の「プレラにしのみや」の3階。じっくり探ってまいりました。
一時期「ハンサムウーマン」、「男前な女性」といった形容が雑誌やテレビをにぎわせていたことを覚えていますか。 今回ご紹介する木内女性クリニックの木内院長は、その名称がぴったりの、まさに”おっとこまえ”な女性。その人柄に魅せられたのでしょう。院長の診察日には、数時間待ちでも診察を希望する患者が詰め掛けるそうです。 さてはて、その魅力はどこに。クリニックは兵庫県西宮市、阪急西宮北口駅の南側正面の「プレラにしのみや」の3階。じっくり探ってまいりました。
「この間ウルトラマラソン※に参加して、72キロを走ってきたばかりなのよ。8時間少しの完走だったから早いほうね。ウルトラは体の機能との戦いのようなもので、栄養補給にしても天候や体調などと駆け引きしながら走る一面があるの。ところどころに食べ物や水分を補給するエイドステーションがあるけど、私はそう食べられないのよ。気に入ったエイドを持って走りたいけどたくさんは持てないし。そもそもマラソンって下半身ばかり使うから上半身に筋肉がつかなくてね。ほら、私の腕もこんなに」
袖をぐいっとまくりあげて細い腕を見せる木内院長。たしかにこの腕のか細さは、マラソンランナーの高橋尚子選手を連想させます。初対面の緊張感に包まれつつインタビューに入ろうとした私たち生理痛取材班は、一気にそんな思いがふっとんでその腕に見入ってしまいました。
「最近太りすぎはメタボで良くないというけれど、私のようにやせすぎも決して良くないのよ。きっと私は長生きできないわよ。あ、そんなことありませんなんて、言わないでね。自分が言うのだから確かな話」
と言葉を続ける院長。すでにその場は木内ワールドへと突入。私たちの関心も、“なぜに自らすすんでそこまで過酷な状況に入るのか”という話題にしっかりと移ってしまいました。 走っている最中は日常から解放されるからでしょうか…と聞くと
「しんどいだけよ。頭の中は診察のことや医院のこと、ああすればよかったかなとかばかりで、解放されているとは言えないわね」
と。では?ではなぜ?と疑問符ばかりを押し付ける私たちに、木内院長はしばし考えて、
「ウルトラは人生に似ているのよ。何が起こるか分からない面白さがあるの。自分との戦いなのよ」
と一言。うーん、なるほどと納得する私たちでした。
※ウルトラマラソン:フルマラソン(42.195キロ)を超える長距離を走るマラソン競技。制限時間内に完走することが目標。木内院長が参加したのは、富士五湖で行われた「チャレンジ富士五湖 女子72キロ」レース。木内院長は6位の好成績をおさめました。
同クリニックを訪れる患者さんのうち、症状として生理痛を訴える人は全体の2割ほど。当然、若い女性からの相談が多いそうです。
「まず看護師から問診を受けてもらいます。そこで症状と患者さんご本人の意志とをおおむね把握して、それから医師が診察します。そもそも生理痛の多くは、原因となる病気がなく月経の出血する際に起こる『機能性月経困難症』によるもの。そうであるなら痛み止めや漢方薬による対症療法か、そしてひどい場合は低用量ピルを選択するのがよいでしょう。しかし、子宮内膜症などの病気が隠れていることもあります。そのため検査の必要もあり、そのなかで内診が必要な場合もあります。もし患者さんが未成年であれば、まず説明をして納得される場合だけ内診を行います。
とにかく診察に必要なことは、患者さんが何を望んでおられるか、それをファーストインプレッションでつかみとること。そのうえでこちらの所見を伝えるなどしてコミュニケーションを図ります。このやりとりのなかから生まれる信頼感が治療には欠かせませんし、私が一番大切にしているものです」(木内院長)
「生理痛に限らずストレスからくる体調不良の相談も受けますが、私が一番に思うことはストレスから逃げないこと。親や友人の助けなどを含め、自分が持っているエネルギーをフルに活用してその原因に向き合うのが大切です。それをクリアすると、それが経験となって同じストレスに負けなくなります」
ご自身もこれまで多くのストレスに立ち向かって乗り越えてきた経験を持つそうです。
余りのストレスの大きさに一時期うつ状態にまでなったとも。実体験から出るアドバイスだからこそ重みがあるのでしょう。
大きくうなずく取材班へ、でも時には弱い自分も許さなくちゃねと、こっそり笑顔で付け加える院長。またまた肩から力が抜けて、ほっとリラックスしてしまう私たちです。
「そして迷ったときは、何事も自分で選択をすることです。決める勇気を無くてしてはだめ。決められないほど迷ったときは、おそらくどちらを選んでも正解のはずです。それほど迷った末に選んだ結論であれば、受け入れられます」
日本心身医学科認定医でもある木内院長の言葉のひとつひとつが、心の痛みやコリまでも解きほぐすように、やさしく心に入ってきます。ひょっとすると院長の診療の魅力は、女性の体と心の両面を癒してくれるからなのでは。
“先生、それを木内マジックと呼ばせてください!”
長年木内院長の右腕としてクリニックを支えてきた総師長・山下容子さんは、生理時の腹痛に悩む女性へ、毎回ひどい痛みに悩んでいるのであれば、我慢せずに一度診察を受けてみてはとアドバイスを送ります。しかし若い女性ほど婦人科の門をくぐるのにはちょっと勇気がいるもの。
「院長は企業や学校などに積極的に出向き、女性の体と健康についての講演活動を続けています。なかには中高生や保護者を対象とした性教育に関する講演もありますから、それをきっかけとして女生徒が来院することもよくあります。きっと院長自身の活動が婦人科のハードルを低くしているのだと思います」(山下総師長)
患者さんの年齢層の幅広さは同クリニックの特長のひとつ。女性特有の体の悩みはともすればメンタルな症状につながりかねません。
「人の体はすべてがつながっています。見えないところの痛みや不安はまず相談すること。なんともないときは『なんともない』と、私がはっきり言いますから。薬もリスクが少ない限り、症状が楽になるのであれば飲んでいいと思いますよ」
明快に言い切る木内院長のこの言葉に、心がぱっと明るくなる人がどんなにたくさんいることでしょう。
婦人科一般に加え、産科検診、更年期・思春期外来、女性心身外来にも対応。「女性のこころとからだのクリニック」をコンセプトに、“からだ”だけでなく女性の心のケアもできる「女性クリニック」をうたう。同クリニックについて詳しくはHPで。