生理痛の原因と治療 生理痛の原因と治療

監修 鳥取大学医学部 産科婦人科学 教授 原田省 先生

生理痛の原因は?

ひと言で生理痛といっても、痛みの程度、症状、痛む場所など、同じ女性であっても千差万別。一人ひとりが別々の生理痛を、毎月経験しているといってもいいくらいです。
多くの女性の悩みでもある生理痛ですが、その痛みを人に伝えることは難しいもの。「生理痛はあって当たり前」、「いつものことだから」と、がまんをしていませんか?
生理痛は何らかの病気のサインである場合があります。時期によってあらわれる不調と要因も異なり、原因はさまざまです。生理痛と上手に付き合っていくためには、それぞれの原因を正しく理解し、対処することが大切です。
このページでは、生理痛の原因やタイプ、緩和する方法を紹介します。

  1. 時期によって異なる不調と要因
  2. 女性のライフスタイルの変化が原因の1つ?
  3. 日常生活に支障をきたす生理痛「月経困難症」とは
  4. 生理痛(月経痛)を和らげる方法

時期によって異なる不調と要因

生理痛の特に大きな要因となっているのは「プロスタグランジン」という物質です。 ですが、時期によって不調の要因やあらわれ方は異なります。それぞれの時期の特徴を詳しく見ていきましょう。

※プロスタグランジン:ホルモンに似た物質で、子宮を収縮させ、子宮への血流を減少させ、子宮内の神経を痛みに敏感にさせる作用があります。
その他にも痛みの発生、免疫やアレルギー、睡眠にも関連することが知られています。

生理(月経)前

排卵後、女性ホルモンの一つ黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌量は急激に増えます。そして、受精卵が着床せずに生理が起こると一気に減ります。この大きな変化で、身体をコントロールする自律神経がバランスをくずし、頭痛や胃痛、イライラなどの不調を引き起こします。
また、黄体ホルモン(プロゲステロン)は、乳腺を発達させる、体温を上げる、体内の水分を引き出すなどの作用もあるため、乳房が痛くなったり、だるさや下半身のむくみも起こりやすくなります。
生理の1~2週間前から生理が始まるまであらわれるこれらの症状は「月経前症候群(PMS)」と呼ばれています。

痛みなどの不調の要因
黄体ホルモン(プロゲステロン)
「黄体ホルモン(プロゲステロン)」 は、卵巣から分泌され、受精卵が子宮内膜に着床する準備や、乳腺による乳汁の分泌を準備させます。
起こりやすい不調
  • イライラ
  • 頭痛
  • 胃痛
  • 乳房痛
  • 肩こり
  • だるさ
  • 集中力低下 etc.

生理(月経)前半

生理(月経)直前から前半まで、プロスタグランジンという物質が急に増えます。この物質は子宮の収縮を促して生理の経血を身体の外に排出する役割を果たします。この量が多すぎると収縮が強くなりキリキリとした痛みが発生します。血管を収縮させる作用もあるので、腰痛やだるさ、冷えがひどくなります。さらに胃腸の動きにも影響を与え、吐き気や下痢の原因にも。実は陣痛のときの痛みもこのプロスタグランジンが原因です。
また、生理痛のある女性では、子宮内膜や経血に含まれるプロスタグランジンの量が生理痛のない女性より多いこともわかっています。

痛みなどの不調の要因
プロスタグランジン
「プロスタグランジン」はホルモンに似た物質で、子宮を収縮させ、子宮への血流を減少させ、子宮内の神経を痛みに敏感にさせる作用があります。
その他にも痛みの発生、免疫やアレルギー、睡眠にも関連することが知られています。
起こりやすい不調
  • 下腹部の鈍痛やキリキリした痛み
  • めまい
  • 吐き気
  • 下痢 etc

生理(月経)後半

うっ血とは血液の流れが滞ること。骨盤を中心に血液の流れが悪くなり、下腹部の鈍痛や腰回りの重苦しい感覚を引き起こします。軽い生理痛なら、このうっ血をとることで改善できます。半身浴で身体を温める、血行をよくする食事を心がけるなど、生活のなかで実践できることがあります。

痛みなどの不調の要因
うっ血
「うっ血」とは血液の流れが滞ること。
起こりやすい不調
  • 下腹部鈍痛
  • 腰のだるさ
  • 冷え
  • むくみ etc

女性のライフサイクルの変化が原因の1つ?

女性が一生に経験する生理の回数は、昔にくらべ数倍に増えているといわれています。初経年齢の低下、出産数の低下、出産年齢の上昇、閉経年齢の上昇、晩婚化‥。それに伴い、セルフケアではコントロールできないような生理痛をもつ女性も増えています。

女性のライフスタイルの変化

現代の女性は昔の女性に比べて女性ホルモンにさらされている期間が長い!(約9割)

昔の女性
現代の女性

日常生活に支障をきたす生理痛「月経困難症」とは

「月経困難症」という言葉をご存知でしょうか?
「月経困難症」とは、生理痛(月経痛)のなかでも日常生活に支障をきたし、治療の対象となるものをいいます。タイプは大きく「器質性月経困難症」と「機能性月経困難症」の2つに分かれます。
いずれも治療法がありますので、我慢せずに早めに婦人科を受診しましょう。

何らかの病気が隠れている「器質性月経困難症」

子宮や卵巣になんらかの病気が隠れているものを「器質性月経困難症」といいます。子宮内膜症や子宮腺筋症、子宮筋腫、クラミジア感染などの病気が原因となり、生理痛が起こる場合もあります。 20代後半から多くなり、症状は生理初日~3日目ごろを過ぎても続き、生理期間以外にも痛みが生じることもあります。

考えられる原因

子宮内膜症
「子宮内膜症」とは本来子宮腔の内側の壁を覆っている子宮内膜細胞が、それ以外の場所で増殖し、生理のたびにその場所で出血を繰り返す病気です。生理のある女性なら誰でもなる可能性があり、閉経まで進行し続ける可能性があるため、適切な治療法を選んで上手く付き合うことが大切です。

子宮筋腫
「子宮筋腫」とは子宮にできる良性の腫瘍で、5人に1人の女性にあるといわれています。原因ははっきりとわかっていません。自覚症状のない人も多く、閉経により改善することからも症状がないかぎり治療の必要はありません。ただ、症状がある場合、不安な場合は婦人科を受診しましょう。

子宮腺筋症
「子宮腺筋症」とは、子宮内膜が子宮の内側の筋層内で増殖し、子宮内の壁が分厚くなって子宮全体が大きくなる子宮内膜症の類縁疾患のこと。重い月経痛、月経過多を伴うことがあります。MRIでほぼ診断できますが、子宮筋腫との区別はむずかしいものとなっています

原因となる病気のない「機能性月経困難症」

病気が原因でない生理痛を「機能性月経困難症」といいます。一般的に思春期から20代前半に多い生理痛です。治療法は痛みの軽減となり、薬物療法に加え、軽い運動や腰を温めたりして血流を良くすることで痛みが和らぐ場合もあります。

考えられる原因
  • 子宮の収縮を促す物質「プロスタグランジン」の分泌量が多い
  • 子宮や卵巣が未成熟
  • 冷え
  • ストレス etc

生理痛(月経痛)を和らげる方法

痛みは、がまんする必要はありません。
つらい時は無理をせずに、リラックスしてすごすことが大切です。
鎮痛剤を使ったり、カイロで身体を温めたりと、普段の生活の中でできる緩和方法があります。

リラックスや鎮静効果などが期待できるアロマテラピーも痛みを和らげる1つの方法です。「生理痛の症状と緩和する方法」では、症状に合わせた精油レシピを紹介しています。自分に合う緩和方法を見つけて、少しでも快適な生理期間をすごしましょう。

ルナちゃん
生理痛(月経痛)の原因はさまざまあり、対処法も異なります。だからこそ、生理痛(月経痛)の原因を正しく理解して対処していくことが大切です。また、鎮痛剤やセルフケアを上手に取り入れて痛みをコントロールできればいいのですが、病気を治しているのではないので注意が必要です。
生理痛(月経痛)には病気が隠れている場合があります。不安を感じるようなことがあったり、症状が改善しない時は、迷わず婦人科に相談に行きましょう。
「生理痛の原因は?」は、原田省先生にご監修いただきました。
鳥取大学医学部 産科婦人科学教授 原田省 先生
「生理痛の原因は?」は、原田省先生にご監修いただきました。
鳥取大学医学部 産科婦人科学教授 原田省 先生

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